初めて本格的な山に登ったのは小学生6年生の時に父に連れられて登った富士山ですが、その時に見た雲海は今でも瞼の裏に焼き付いています。思えばそれ以来山への憧れはずっと続いていたのかも知れません。登山部に入ったわけでもなく山との付き合い方は自己流ですが、中学高校の頃は幾度となく地元の六甲山に登っていました。
大学に入ると山はスキーで滑り降りるものとなり、自分の足で大地を踏みしめて登る楽しみからは遠ざかり、さらに医者になってからは忙しくて登山のことなどすっかり忘れていました。スキーはそれなりに続けていたのですが40歳で前厄に入った直後、スキーで大転倒して大腿骨を派手に骨折し、3か月間車椅子生活を送る破目に。
怪我のあと、やっと歩けるようになったのが嬉しくてリハビリを兼ねて山に登ってみたらすっかりはまってしまい、しばらくは春夏秋冬数えきれないくらい八ヶ岳に通いました。開業後は遠い山に行く時間がとりにくくなり京都近郊の山に登る回数が増えましたが、名の通った高山とはまた違った奥深さに魅せられています。

時間や気候が許せば月に2-3回は山に登っていますが、そのうち1回はクリニックの患者さんにたちと一緒に行くハイキング会です。ところが令和2年に入ってのコロナウイルス感染拡大。登山も自粛せざるを得なくなり、患者さんたちとのハイキング会も休眠状態となりました。

そんな中で、運動不足解消のために自転車で走ってみたらことのほか楽しくて、サイクリングも趣味の仲間に入ってしまいました。自転車で向かったところは「密」を避けて山、けっきょく山なんですね。深い山や険しい山に入ることは自粛していますが、自転車を使えば交通機関を利用せずに山頂近くの峠まで辿り着いて、山の空気で体を満たすことが出来ることに気づいてしまいました。登山自粛が終ったら、自転車でアプローチして山頂を目指す、100%自力の登山に挑戦してみたいと企んでいます。
