ブログ開設にあたって~ 知病知己(ちびょうちき)とは

コロナウイルス感染拡大もとりあえずのピークを過ぎて、非常事態宣言が解除され、日本中で日常を取り戻すための営みが始まりました。政府もマスコミも我々医療関係者も、全員にとって初めての経験で、手探り状態の数か月でしたが、少しホッとしたという方が多いのではないでしょうか。まだまだウイルスが消えてなくなったわけではありませんので、気を許すわけにはいきませんが、一歩前に進んだことは間違いありません。

新型コロナウイルスで不安が広がった一つの理由は、このウイルスが未知のウイルスであったからです。言うまでもなく、得体の知れない敵と戦うというのは怖いものです。世界中の人がこの「得体の知れない敵と戦う恐怖」に対処するために、いろいろ知恵を絞りました。

マスコミやネット空間でも様々な情報が飛び交い、中にはデマや誤解も少なくありませんでした。デマでなくてもことさら不安をあおるようなワイドショーもや、逆に根拠の乏しい楽観論も多くみられました。

正しく怖がるために

「正しく怖がることが大切だ」とよく言われます。デマに踊らされることなく、油断することなく、正しく病気と向き合うためには、正しい知識に基づいて適切は行動をとることが重要です。これはコロナウイルスに限らず、世の中の病気すべてに当てはまることです。

中国の春秋時代の兵法書である「孫子・謀攻編」にこんな一説があります。
知彼知己、百戰不殆。不知彼而知己、一勝一負。不知彼不知己、毎戰必殆。
(彼を知り己を知れば百戦殆うからず。彼を知らずして己を知るは一勝一負す。彼を知らず己を知らざれば戦う毎に殆うし。)

竹簡(ちくかん)に書かれた孫子の兵法書
vlasta2, bluefootedbooby on flickr.comhttps://www.flickr.com/photos/bluefootedbooby/370457835/, CC 表示 2.0, リンクによる

病気を正しく怖がるためには、病気のことをよく知り、自分の体の事をよく知ることが第一歩となります。そのような思いを込めてブログのタイトルを知病知己としました。

関連記事

  1. 各都道府県ごとの感染者数増加

  2. 免疫とワクチンのはなし(1)

  3. ワクチン開発の展望(2)

  4. 自転車天国、乗鞍岳

  5. 血栓による病気と抗血栓薬

  6. 桜とアンチエイジング

  1. この記事へのコメントはありません。

  1. この記事へのトラックバックはありません。