「一切の交通機関を使わず人力だけで300名山を踏破」といえば田中陽希さんですね。とてもそんな真似は出来ませんが、せめて交通機関を使わず人力だけで頂を目指してみよう! というわけで、お盆に自転車と徒歩だけで愛宕山に登ってみました。
自転車で愛宕山を目指すルート
愛宕山には東西南北からいくつもの登山ルートがあります。もっとも代表的なコースは京都の観光地嵐山からほど近い(徒歩で約1時間、バスで約15分)清滝から表参道を通るルートです。いずれかの登山口に自転車を停めて登ることもできますが、折角なので自転車で走れる一番高い地点、さかさま峠(首無し地蔵、標高700m)まで走ってみました。
午前7時、クリニックを自転車で出発。まずは衣笠からきぬかけの路を西に向かいます。きぬかけの路は金閣寺、竜安寺、仁和寺など世界遺産の社寺を繋ぐ観光道路で、毎年2月に開催される京都マラソンのコースの一部にもなっています。きぬかけの路の終点である福王寺からは国道162号(周山街道)を走って、御経坂峠(みきょうざかとうげ、標高216m)を越え、7:40高雄に到着。普段は観光客で賑わうところですが、朝早いせいか、コロナのせいか、人影はほとんどありませんでした。
西明寺の横の橋を渡って林道谷山線に入ります。
この林道谷山線をひたすら上り詰めると、サカサマ峠と昔から峠を守る「首なし地蔵」があります。この峠までは自動車も通れる林道ですが、倒木や路肩の崩壊などで道は荒れており、この日も狭くなったところで立ち往生している車がありました。自動車で入り込むにはそれなりの腕と覚悟が要りそうですね。
首なし地蔵手前の三叉路に軽自動車が停まっていました。この三叉路を左に進むと首なし地蔵から愛宕神社へ、右に行くと周山街道細野に通じます。帰りは細野経由の予定です。
午前9:40、首なし地蔵(標高700m)に到着。いつから首がないのかは定かではありませんが、ずっと昔からサカサマ峠を守ってくれているお地蔵さんです。
ちなみに下の写真は10年前の首なし地蔵。10年の間にずいぶん寂しくなりました。
首なし地蔵で自転車を降りて、杉の木にロック。ここからは徒歩で愛宕神社へ。
神社手前の広い道に出ました。神社まではもう一息。後方のおじさんはバイクで首なし地蔵まで上がって来たそうです。
愛宕神社の東斜面にある白鬚神社を抜けてショートカット。霧がかかって幻想的です。
参道の途中に出ました。最後のひと登り。
神社拝殿に到着。
拝殿から出てきたら霧が晴れていました。
普段は賑わう山頂の広場付近もひっそり。ここでおにぎりを食べていたら、アブの大群に襲われてあちこち噛まれました。
お盆はたいてい日本アルプスか八ヶ岳に登ってたのですが、標高1500mを超えるとお盆の頃にはアブが居なくなってトンボが飛び交うようになるので油断してました。
愛宕神社にお参りした後は、首なし地蔵まで戻って再び自転車。サカサマ峠からは、上ってきた道(南:高雄)とは反対(北:細野)側に向かいます。北側はずっと未舗装の砂利道が続きます。
ひと気のない山を走るときは自転車にクマ避けのベルをつけて、チリンチリン鳴らしながら走ってます。
細野までの下山路は大きな石がゴロゴロ転がる荒れた道で、自転車も暴れまくり。いつの間にかクマ避けのベルが千切れて無くなっていました。
細野集落の少し手前、人里から離れたところに昔からあるペンション「愛宕道」。このペンションの名前が示す通り、たった今自転車で下りてきた首無し地蔵~細野の路は、北側から愛宕神社を目指す人のメインルートでした。(京都市内の人はこの辺りを裏愛宕と呼んでいますが)
細野からは国道162号(周山街道)を京都市街に向かって南下。少しだけ走ったところにあるラーメン屋さん「キャプテン」でランチタイム。名物のいのししラーメンを頂きました。周山街道はサイクリングコースとしても人気があり、「キャプテン」にはバイクラックもありますが、38度の猛暑日に走っている物好きはあまりいない様で、自転車は私だけでした。
小野郷の草餅屋さん。残念ながらコロナの影響で持ち帰りのみ。炎天下に自転車で持ち帰るわけにもいかず、諦めました。
草餅を諦めた後は杉坂から京見峠を越えて帰路につきました。
走行距離48km、累積標高差1200m(自転車1000m、徒歩200m)でした。
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