自転車天国、乗鞍岳

北アルプスの南端、長野県松本市と岐阜県高山市にまたがる乗鞍岳は、標高2702mの畳平までバスで上がれるため、比較的手軽に高山の雰囲気を楽しめる人気の山です。最高峰は標高3026mの剣ヶ峰で、その周りにいくつかのピークと火口湖が点在する美しい山ですが、常時監視対象になっている活火山でもあります。

蓼科山山頂から北アルプスの眺望

 畳平までの道路は岐阜県側からは乗鞍スカイライン、長野県側からは乗鞍エコーラインと名付けられています。これらの道路は私が学生の頃は自分の自動車で走れましたが、現在は自然保護のため一般車通行禁止になっており、バス、タクシー、山小屋関係者などの許可車両と、自転車以外は通行できません。

乗鞍エコーライン、乗鞍スカイラインの終点、畳平と鶴ヶ池

畳平からは標高差300m余りで最高峰の剣ヶ峰に立つことが出来るうえに、途中に危険な場所もありませんので、日本一簡単に登れる3000m峰とも言われますが、山好きにとってそれではあまりに物足りないので、バスを使わずに乗鞍高原から標高差1600mほどを歩いて登る方が楽しそうだと思っていました。

しかし、一般車が通らない乗鞍エコーラインと乗鞍スカイライン(今年は豪雨災害のため通行止めが続いています)はサイクリストの聖地になっているということを最近知り、
乗鞍を自分の自転車で走ってみたい‼ 
どうせなら自転車で走れる最高地点まで行って、
そのまま自分の脚で山頂まで登ってみよう!

と、「自転車x登山@乗鞍岳」の妄想が膨らみました。

知り合いのローディ(自転車ロードレース愛好家)には「ミニベロ(小径車)で行くなんて、めちゃくちゃしんどいですよ。そんな物好きはまず居ません」と言われましたが、そう言われると余計ミニベロで行ってみたくなりますよね。

いざ、自転車で乗鞍エコーラインへ

というわけで自動車に愛用の折りたたみ自転車Tyrell Iveを載せて、標高1450mの乗鞍高原に午前7時到着。シャトルバス乗り場付近の駐車場はすでに多くの車が駐まっていました。ここからエコーライン終点の畳平までは距離20.5km、標高差1250m。もう少し先の三本滝駐車場まで自動車で上がると距離にして8km分だけ楽をできますが、達成感もその分だけ減りそうなので、ここからスタートすることに決めていました。

車から自転車を降ろして、出発準備完了!

乗鞍高原は冬はスキー、夏は避暑の高原リゾート地なのに、コロナウイルスの影響か休業中の施設が目立つのが少し残念でした。

他にも自転車の人はいっぱいいましたが、みんな本格的な27インチのロードバイクばかりで、折り畳みやミニベロは全然見かけません。スキーの上級者コースに初心者が紛れ込んだような居心地の悪さを少しだけ感じましたが、走り出したらそんなことは気になりません。綺麗な景色を見ながら山の空気をいっぱい吸い込んで、必死で坂道を漕ぎ上がるだけです。走り始めて約30分で三本滝ゲートに到着、その先はいよいよ一般車通行禁止のエコーラインです。

エコーラインに入って暫くはスキー場のゲレンデを縫って、時々リフトの下をくぐりながら上ります。

ゲレンデの最上部を過ぎると森林限界まで、道路は森を抜けて進みます。上るにつれ、またカーブを曲がる度に、目に入る景色が変化してゆきます。時々タクシーやバスがやって来る以外は道路も景色も独り占め、そんな贅沢を感じながら暫く上ると冷泉小屋。

エコーライン途中にある冷泉小屋

冷戦小屋を過ぎて走っていると後方からシャトルバスが立て続けに2台追い越してゆきました。

バスに追い越されてまもなく位ヶ原山荘に到着。位ヶ原山荘ではさきほどの2代のシャトルバスが停まっていて、パラパラと人が降りて来ました。ここから歩いて登山する人も多いようです。

さらに少し上ると道路は森林限界を超えて視界が広がり、灌木と岩の上には山頂が間近に迫って見えて来ました。

カーブを曲がる度に山頂への期待が膨らみますが、はやる気持ちを抑えて所々で写真撮影。これまで上って来た道路を見下ろすと、シャトルバスの隊列が下って行くのが見えました。コロナウイルスもやや落ち着いた行楽日和の連休、大勢の人が乗鞍を訪れているのでしょう。

もうすぐ自転車のゴール畳平、ここまで上ってきた疲れも忘れて自然と顔がほころびます。見ず知らずですが自転車仲間同士、励まし合いながら記念撮影。

畳平間近の絶景ポイントにて

最後のカーブを曲がると、「岐阜県」の標識が目に飛び込んできました。

標識の向こうには美しい火口湖のひとつ「鶴ヶ池」、その向こうには畳平が見えます。

ロードバイクに混じってここまでよく頑張ったミニベロ

ここから畳平までは僅かな下り、疲れた脚を休めながらゴール!!

畳平からは歩いて登山

畳平で昼食をとった後は長袖を羽織って、歩いての登山スタートです。畳平から乗鞍肩の小屋までは歩きやすい平坦な砂利道が続きますが、その途中に「この先火口域から1km圏内」の標識があり、気が引き締まります。

火口圏から1km

肩の小屋を挟んで山頂と反対側のピークには、宇宙船研究所のドーム。肩の小屋から先はガレた山道ですが、特に危険な箇所もなく大勢の人がそれぞれのペースで登っていました。

少し登ると一番高い火口湖「権現池」が見えて来ました。

火口湖の中でもっとも標高が高い権現池

さらに登ると乗鞍頂上小屋があり、何故か小屋から山頂までは大渋滞していて、1時間以上かかりそうです。どうやら、山頂の標識を持って写真を撮りたい人で渋滞していたようです。

頂上小屋から山頂まで大渋滞

私は並ばずにさっさと別ルートから頂上へ。

頂上の景色を楽しんだ後は来た道を引き返しましたが、畳平までの下山途中も絶景の連続であっという間でした。

あとは自転車で長~いダウンヒル

畳平からは自転車でのダウンヒルですが、この時点で気温9度。下りはカッパを着込んで冬用のサイクリング手袋をはめ、防寒対策を整えてスタート。

防寒対策を整えて下山前に最後の記念撮影

自転車でも簡単に時速50km位は出てしまいますが、ミニベロでスピードが出るとちょっとした凸凹でも吹っ飛ばされてしまうので危険です。ブレーキをかけながら慎重に、慎重に… ロードバイクにどんどん追い越されますが、これは仕方ありません。それでもあっというまにエコーラインの始点、三本滝ゲートに到着。

三本滝ゲートにある募金箱。感謝を込めて協力してきました。

スピードを抑えながらゆっくり下りても、1時間ほどで下まで到着しました。自分の車まで戻って来たら、隣の車は帰った後で空いた場所に登山靴が一足ポツンと残されていました。

寂しそうな靴。Oh my god!

関連記事

  1. 脱・メタボ!大作戦

  2. 愛宕山山頂にある愛宕神社社殿

    自転車×登山@愛宕山(8月15日) その2

  3. 夜明けをまつ富士山と北岳

    北岳登山の思い出

  4. 愛宕山山頂にある愛宕神社社殿

    自転車×登山@愛宕山(8月15日) その1

  5. 趣味のはなし(登山)

  1. この記事へのコメントはありません。

  1. この記事へのトラックバックはありません。