新型コロナウイルス第2波?

日々多くの新型コロナウイルス新規感染者が報告されています。この件について7月初めに「過度に恐れる必要はありません」と書きましたが、その後も増加傾向が続いておりますので、最近の状況を少し考えてみました。

本日(7月29日)の東京の新規感染者数は250人と発表されました。下は日々の感染者数のグラフです。(東京都新型コロナウイルス感染症対策サイトより)

日々報告される患者数には大きな変動があり、これでは増えているのか、増加に歯止めがかかっているのか分かり難いですね。休日には検査数も減るためその結果が判明する週明けには新規感染者数が減るといった、周期的な波もあります。そこでよく持ち出されるのが直近の7日間の平均値を折れ線で表した7日間移動平均というグラフ(下図)です。

これでみると最近はすこし増加に歯止めがかかりつつあるように見えます。300人に迫った7月16日頃を境に、人々が再び行動に注意するようになったのかも知れません。ただ、このデータにはニュースでも言われているように「夜の街」などを中心に無症状の人にも積極的に検査を行った結果も含まれており、7日間移動平均を見ても解釈が難しいところがあります。

7月22日に開催された新型コロナウイルス感染症対策分科会(第3回)からは下の様はグラフも発表されていますのでご紹介しておきます。これは報告日ではなく発症日に基づいてグラフ化したもので、発症日から報告日までのタイムラグがあるため7月15日以降は推定値を含んでいます。

これをみると7月6日ごろから後、新規発症数は大きくは増えていない(増加率は横ばい)ように見えます。潜伏期間の中央値が5~6日であることを考えると、7月はじめから既に人々の行動が変わっていた可能性もあります。7月2日に緊急事態宣言解除後に初めて東京の新規感染確認が100人を超えたと報告されましたので、ちょうどそのあたりです。

しかし、感染者数増加に比例して重症者数も再び増加してきていますので、やはり当面は警戒が必要でしょう。

東京都が発表している重症者数

東京で感染者数が増加した後を追うように地方での感染者数が増加していることも不安要因です。宮古島でのクラスター発生がニュースになっていますが、医療インフラが限られた地方で患者数が増加すると、容易に医療崩壊を招く恐れもあります。

現在の患者数増加を第2波と呼ぶべきか、様々な意見が飛び交っています。高には既に第4波だという人もいますし、「日本人は既に新型コロナウイルスに集団免疫があるので第2波は心配しなくて良い」という説も唱えられています。「日本人(および東アジア人)が新型コロナウイルスに強い」という説は本当の様な気がしますが、そのメカニズムは分かっておらず明確な根拠はありません。「既に集団免疫がある」という説も論文発表されていますが、この論文はいくつかの仮定に基づいた仮説として発表されたもので、まだ査読を経ていません。

「日本人(および東アジア人)が新型コロナウイルスに強い」というのを信じたいですが、この希望的観測が外れていた場合のリスクを考慮しておかなければなりません。現在は感染の第2波が来ているととらえて、抑え込む行動をとるべき状況だと私は考えています。

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