免疫とワクチンのはなし(2)

コロナウイルスワクチンの効果

現在接種が進められている新型コロナウイルスワクチンについても、いろんなことがわかってきました。日本で使われているファイザー社製およびモデルナ社製のワクチンはいずれも非変異株に対しては90%~95%の高い有効性が確認されていますが、最近急増しつつあるデルタ株(インドで最初に確認された株)に対しても、感染予防率が79%、発症予防率が87.9%とやや低下するものの、入院を予防する効果は96%と高い有効性が確認されました。

接種が進んだ国ではワクチン接種が進むにつれて明らかに感染者数が抑えられてきました。(国立感染症研究所、新型コロナワクチンについて 2021 年 6 月 6 日現在 )

AP通信によると、6月下旬に米国政府から発表されたデータを解析したところ、米国における新型コロナウイルス感染による5月中の入院者数は107000人ですがそのうちワクチン2回接種済の人は1200人(1.1%)だけでした。新型コロナ感染症による死亡者は1月には1日平均3400人だったが5月は1ヶ月で18000人に減り、そのうちワクチン2回接種済みの人は150人(0.8%)で、今や死亡者の99.2%はワクチン未接種の人です。

ワクチンの効果はいつまで?

コロナウイルスワクチンの効果は2回目接種の180日後でも高い効果が続くことが確認されています(N Engl J Med 2021; 384:2259-2261)。これ以上の長期間になるとデータがないため未知数です。ファイザーとバイオンテック社は3回目接種の臨床試験を行っているそうですが、その必要性や安全性はこれから検証されます。

新型コロナウイルスが蔓延している状況では免疫とワクチンのはなし(1)で述べたブースター効果も期待できるため、意外と長く続く可能性があります。またコロナウイルスが変異しやすいことによる不安もありますが、ワクチンの目的を「感染の予防」ではなく「重症化の予防」と考えると、変異株に対してもかなり高い有効性が続くと推測されます。

米国疾病対策センター(CDC)と食品医薬局(FDA)の7月8日発表では、重症化して入院する人のほとんどはワクチンを接種していない人であり、現在のところはデルタ株を含めて新型コロナウイルスに対して3回目の接種を行う必要は無いとなっています。

収束はいつ、どんな形で?

現在のペースでワクチン接種が進むと、今年中にはワクチン済みの人と感染済みの人が人口の過半数に達し、ある程度は落ち着くのではないかと期待しています。しかし、コロナウイルスの変異しやすさや終生免疫の出来難さなどを考慮すると、大勢の人がワクチンを受けてもウイルスを撲滅するような強固な集団免疫は得られない可能性が高く、コロナ禍の収束はウイルスと共生しながら重症者や死者を極力少なくする、感染をコントロールできる社会とならざるを得ないかも知れません。

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