コロナも怖いけど他の病気も

公私にわたって親しくしている方に膵癌が見つかりました

この方は70代後半の男性で、元々IPMN(膵管内乳頭粘液性腫瘍)と思われる膵のう胞があり、膵癌のリスクが高いことはわかっていたので半年に1回以上の腹部エコー、時々はMRIで定期的に検査を受けていました。

膵のう胞やIPMN等について、国立がん研究センターのサイトに詳しい解説があります。

ところが、昨年はコロナの影響もあって春に検査を受けそびれて、前回の検査からまる1年あいてしまい、年末に人間ドックを受けた時には腹部エコーで著しい膵管拡張を指摘されました。

ドックの翌日にはMRI・MRCPを撮り、翌々日には大学病院受診と最速で手を打ちました。その時点では血液生化学検査に全く異常はなく、MRIや造影CTでも転移は確認されず、根治的手術可能との見込みでした。

参考:肝胆膵の位置関係

肝臓で作られた胆汁は胆管を通って途中にある胆のうに蓄えられる。食事に合わせて胆のうが収縮し、蓄えられていた胆汁は再び胆管を通って、膵頭部を通過して十二指腸に流出する。

膵臓で作られた膵液は膵管を通って十二指腸へと流れるが、膵頭部で胆管と膵管が合流していて、十二指腸への出口は共通になる。このため膵頭部にがんができると胆管と膵管がともにせき止められることがある。

しかしコロナの影響で入院できるベッドがなかった

仕方なく検査入院を待っている間に閉そく性黄疸が出現、総ビリルビンが10を超えても(胆管炎の兆候がなかったので)ベッドがないため入院できず、結局入院できた時には総ビリルビンが20を超えていました。

それでも根治手術の望みをもって術前検査に臨みましたが、最後のGd-EOB-DTPA造影MRI検査で数mm以下の極めて小さい肝転移が2か所見つかり、結局ステージ4で手術適応なしの判定で、化学療法に望みを託すことになってしまいました。

コロナさえなければもっと早く発見されていたはず
コロナさえなければ発見後すぐに入院できていたはず
コロナさえなければ根治できたかもしれない

考えても仕方がないけど考えずにはいられません。

皆さん、コロナも怖いけど、必要な検査や医療は可能な限り滞りなく受けましょう。

関連記事

  1. 新型コロナ患者数の推移

    コロナ3年

  2. 健診結果を見る時は経時変化にも注意を

  3. 新型コロナウイルスの抗体陽性率調査

  4. ワクチン開発の展望(1)

  5. 新型コロナウイルス~情報の氾濫に思うこと(1)

  6. 新型コロナウイルス第2波?

  1. この記事へのコメントはありません。

  1. この記事へのトラックバックはありません。